自分のマンションの専有面積を確認すると、新築時のパンフレットよりも登記簿謄本のほうが小さく表示されています。これは、どちらが間違っているのでしょうか?
どちらの面積も間違いではありません。
分譲マンションでは専有面積の測り方に「内法面積(うちのりめんせき)と壁芯面積(かべしんめんせき)」の2種類があります。
登記簿に表示される専有面積は「内法」で計算され、「壁芯」よりも小さな値になります。新築時のパンフレットでは、なるべく広く表示したいので「壁芯」を使います。
一戸建てに専有面積がない理由
分譲マンションと違い、一戸建て住宅の広さのことを「専有面積」とは呼びません。
単純に、敷地面積・延べ床面積と呼ぶのが一般的です。
専有面積とは区分所有法(分譲マンションのための法律)で使われる言葉で、共同で使う場所(共用部)と、個々の所有者が使う場所(専有部)を明確にする意味があります。
したがって、全体を丸ごと所有する一戸建て住宅には、共用部も専有部(専有面積)もないことになります。
内法と壁芯の違い
区分所有法では、専有面積の表示に、内法で測るべきか・壁芯で測るべきかを決めていません。
ただし、区分所有の登記を行う法務局では「内法」で記載するルールにしています。
壁芯とは、隣の住戸との壁の中心を起点に面積を測ります。
内法は、壁を計算に入れず、壁の内側だけを測った面積。
わずかですが壁芯のほうが面積が広くなるのが実感できるでしょう。
ポーチ・バルコニー・ベランダ・専用庭は専有面積に含まれない
専有面積は、部屋の中だけとしているのが一般的です。
玄関前のポーチは、専有面積に含まれません。
ちなみに、玄関扉の内側、三和土(たたき)の部分は専有面積です。
ほかに、バルコニーやベランダも専有面積に含まれません。
広大なルーフバルコニーがある住戸も専有面積には含まれません。
ルーフバルコニーと同じで、1階の専用庭も専有面積に含まれません。
これらの部分は、どれも「専用使用権のある共用部」とされています。